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クの準備と同時進行で進めてもらいたいと考えており、村にそう提案しています。いまの白馬村は忙しいだけに、大変活気があるのです。この機会を逃しては行けません。オリンピックが終わってからなどと言っていては、保存しようという火が消えてしまうこともあり得るのです。オリンピックが終わったときは、もうみな疲れ切っているからです。
青鬼の集落には「火もみ神事」の祭りがあります。この祭りは、ヒノキの材を擦り合わせて揉み新しい火を起こすことから始まります。オリンピックの聖火と似ています。この「火もみ神事」の神聖な火を長野冬季オリンピックの聖火にしたならばいいではないか、という提案があります。いかがでしょう。わたくしはこの提案に大いに賛成です。
オリンピックまでもう一年たらず、十一か月です。この間に集落保存の火を灯し、保存の筋道をつけようではありませんか。わたくしたちの今回の調査も一年たらずの短い期間にやっています。
集落保存は、「村づくりであるとともに人づくりでもある」と言われています。地元の方々、村当局の方々、元気をだし勇気をもって取り組んでください。期待しています。

 

1997・3・7
長岡造形大学教授 宮澤智士

 

 

 

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